市場経済国
- 英語
- Market Economy Status
- 同意語
- MES
- 反意語
- 非市場経済国
- 関連語
- WTO , アンチダンピング
先進経済国や世界貿易機関(WTO)等から自由な市場経済を重視する国と認定された国のことで、WTOは加盟国が非市場経済国と認定された国に対して、アンチダンピング(AD)手続において簡単な手続きで反ダンピング税を課すことができる等の実質上不利な待遇を与えることを認めている。
中国が2001年にWTOに加盟した際の「各国は中国を非市場経済国として扱える」と規定した議定書(15年間有効)が、2016年12月11日に失効するため、その後の中国の市場経済国としての扱いについて、中国は自動的に市場経済国に移行すると主張しているが、日米欧は各国が認定しない限り市場経済国にはならないとして見解が分かれている。
市場経済国・非市場経済国の定義は各国の裁量に委ねられているため、日米欧は中国の市場経済国への以降に否定的であるのに対して、オーストラリアやニュージーランド等の一部の国では、既に中国を市場経済国に認定している。
市場経済国の定義
- 米国
1930年関税法第771条(18)(B)に基づき以下の要因を考慮し商務省が決定する。
- どの程度当該国の通貨が他国通貨と交換可能であるか
- どの程度労使間交渉により賃金水準が決まっているのか
- どの程度外資による投資が認められているか、
- どの程度政府が生産手段を統制するのか
- 政府による資源配分、価格及び生産決定に対する統制はあるのか
- その他当局が適切であると考える要因
- EU
- 価格等に関する企業の決定が、国の重大な介入を受けることなく市場の動向に従って決定されており、かつ主要な投入財のコストがおおむね市場価格を反映していること
- 企業が、国際会計基準に従い監査され、あらゆる目的に適用される基本的な会計記録を有していること
- 企業の生産コスト及び財政状況が以前の非市場経済システムによる深刻な歪曲の影響を受けていないこと
- 関連する企業が、企業の営業を法的に保証する倒産法、財産法の適用を受けること
- 為替交換が市場レートで実施されていること