ターナーレビュー
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英国の金融サービス機構(FSA)会長アデール・ターナー卿(Lord Adair Turner)が、財務大臣の諮問に対する答申として、2009年3月に提出した金融危機の原因を分析し、その再発を防止するための監督体制の抜本的な見直しを提言する報告書「世界的な銀行危機への規制のあり方(A Regulatory Response to the Global Banking Crisis)」のこと。
ターナーレビューでは、2008年の金融危機の原因として、マクロ経済の大幅な世界的不均衡、商業銀行によるハイリスクなトレーディング活動への関与の増大、証券化の拡大、レバレッジの拡大、銀行による金融リスク管理の失敗、不適切な資本バッファー、リスク評価を複雑な計算と信用格付けに依存するという間違いを犯したことを挙げていて、世界からの資本流入を求める政治的要請を受けた規制緩和と市場本位の監督、多くのSIFIsの脆弱なコーポレートガバナンスとリスクマネジメントが相まって起きたものとしている。
これを教訓として、再発防止のため、金融機関の自己資本比率の引き上げや、返済義務がなく資本性が高い普通株による自己資本増強、流動性の確保、報酬制度の見直し、ヘッジファンド・格付け会社の規制等を提言していて、これを受ける形で、2012年に2000年金融サービス・市場法が改正され、2012年金融サービス法が成立した。
