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取引所集中義務

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金融ビッグバン
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有価証券取引において、証券会社が顧客投資家からを受け付けた売買注文を、自己売買部門や第三者と取引させるのではなく、必ず証券取引所に注文を回送して取引を取引所に集中させなければならないという規定のことで、取引所の定款や規程において規定されていた。

取引所集中義務は証券会社が取引所と競合する市場的機能を提供することや証券会社同士が取引所市場外で注文を執行する能力を競い合うことなどを制約する競争制限的要素があるが、売買注文を集中させることで注文者が適切な相手方を見出すことを容易にし円滑な流通が確保され、多数の者の大量注文の間の自由な競争売買によって適正で公正な相場が形成されるという取引所の公益性の高さによって正当化てきた。

しかし、情報通信技術(ICT)等の発達により、価格や数量など取引に関する情報が集中して公表されれば、証券取引所という物理的な場所に取引を集中しなくとも、円滑な流通と価格の公正さを確保することが技術的に可能となるとともに、マーケット・インパクトを避けるために市場外で注文を執行したいという大口投資家のニーズにも十分に応えることができないなど、取引所集中義務に伴う弊害も目立つようになったため、金融ビッグバン(金融システム改革)の一環として、1998年12月に取引所外取引が解禁され、証券会社は予め顧客からの指示があれば、上場株式であっても証券取引所外で執行することが可能となった。

米国においても、取引所集中義務は、会員間及び会員と非会員間の競争を妨げるという観点から問題にされ、1980年に採択されたSECの34年法規則19c-3によって、取引所集中原則の適用が排除されている。

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