インサイダー・アウトサイダー理論
- 英語
- insider outsider theory
熟練を積み企業の格となる現職の労働者であるインサイダーと企業に固有の熟練技能を持たない臨時工や企業外部の労働者であるアウトサイダーとの関係において、現在雇用されている労働者(インサイダー)は新規の低賃金労働者(アウトサイダー)によって代わられることを恐れ、非協力的になるため、企業は新規労働者を現行の労働者よりも低い賃金で雇用しようとはしないという、リンドベック(A.Lindbeck)やスノウアー(D.J.Snower)らが1980年代に構築した労働市場理論のこと。
この結果、インサイダーは交渉力が強く、不況下でも賃金が下がらない一方、アウトサイダーは低賃金で働きたくても雇用されず、状況下で失業の長期化と人的資本の劣化が進み、アウトサイダーの労働市場への影響力はさらに小さくなるとともに、失業から抜け出すことが困難になり、失業は長期的、構造的になる。
この理論においては、アウトサイダーからスタートせざるを得ない若者がもっとも不利な状態に置かれることになる。