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日本型金融排除

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平成28事務年度金融行政方針 - 金融庁
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高い信用力の企業に優先的に貸出を行い、信用力は低いものの事業の将来性が高い企業には融資しないという金融機関(銀行)の貸し出し態度のこと。

将来性を判断した事業性評価に基づく中小企業への積極的な融資機能を金融機関に求める金融庁が、金融緩和策にもかかわらず、本当に資金を調達したい企業に融資が行き渡っていないという問題意識から、「平成28年度版金融行政方針」の中で用いられた。

金融機関が融資先の形式的な安全度ではなく事業性を評価してリスクを取って融資する、又は、取引先に経営改善のアドバイスを行い取引先も金融機関自身もビジネスを伸ばすビジネスモデルは金融機関として理想的だが、過去の不動産バブルによる不良債権問題を再発させないように、融資には十分な担保を確保するなどの慎重な態度をとってきたこともあり(金融庁も不良債権の処理を至上命題に掲げ、堅実な融資を促してきた)、金融機関には事業性が評価する能力が不足していて、さらに事業性評価の膨大なコストの割には貸出の回収可能性の予想は困難なため、このようなハイリスク・ハイリターンな業務は、「預金者の預金を守る」という銀行の最大の責任と矛盾する、また、このようなハイリスク・ハイリターンの投資はベンチャーキャピタル(VC)のような投資家の業務であるといった批判もある。

平成28事務年度金融行政方針抜粋

担保・保証がなくても事業に将来性がある先、あるいは、足下の信用力は高くはないが地域になくてはならない先は地域に存在する。企業と日常から密に対話し、企業価値の向上に努めている金融機関は、地域の企業・産業の活性化に貢献するとともに、自らの顧客基盤の強化をも実現させていると考えられる。そこで、各金融機関の融資姿勢等について、金融機関と企業の双方からヒアリング等を通じて実態を把握する。具体的には、十分な担保・保証のある先や高い信用力のある先以外に対する金融機関の取組みが十分でないために、企業価値の向上が実現できず、金融機関自身もビジネスチャンスを逃している状況(「日本型金融排除」)が生じていないかについて、実態把握を行う。

(金融庁(2016). 平成28事務年度金融行政方針 20)

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