ネットワーク中立性
- 英語
- network neutrality
- 同意語
- ネット中立性 , インターネット中立性
2003年にコロンビア大学のTim Wu教授が提唱した、インターネットサービスプロバイダー(ISP)が、利用者、コンテンツ、アプリケーションなどによりトラフィックを差別したり課金を区別したりせず、インターネット上の全てのデータを同等に扱うべきとする考え方のこと。
米国ではブロードバンドの普及でインターネット上の通信トラフィックの量が爆発的に増大したことで、限りある通信資源をどのように割り当てるべきかが議論の焦点になったこと（混雑時の利用に超過料金を課すことで効率的な資源配分が期待できる）、ブロードバンド市場の寡占化により、ケーブルテレビ事業者や通信会社等のネットワーク設備を有するISPの市場支配力が高まり、混雑制御がフェアなものであるのかという点に疑問符が投げかけられたことで、特に米国において注目を集めている。
なお、米国連邦通信委員会(FCC)は、2015年にブロードバンド接続事業者を電気通信法（Telecommunications Act）の「Title II」に分類。幅広い規制が適用される通信サービスの一種と規定し、特定のWebコンテンツやサービスに対するアクセスを接続事業者が個別に遮断したり減速したりする行為を禁じる規則を導入したが、見直しが検討されている。
日本ではNTT東西に対する規制措置によって固定ブロードバンドの分野では、ISPの市場支配力は高くないという特殊性のため、あまり注目されてこなかったが、ブロードバンドの利用形態は固定からモバイルに大きく移行する中で、米国同様に問題となる可能性もある。
