投資用語集

プロジェクト・ファイナンス

英語
project finance
同意語
PF
反意語
コーポレート・ファイナンス
関連語
キャッシュフロー , SPC , リコースローン , ノンリコースローン , PFI , 証券化
カテゴリ
経済 ,

ある特定のプロジェクトに対して、返済原資を投資対象のプロジェクトのキャッシュフローに限定して行われる融資のことで、事業を行うためだけに新たに設立された特別目的会社(SPC)に対して融資を行う形態が多い。

通常の企業向け融資であるコーポレート・ファイナンス(CF:corporate finance)では企業全体の信用力を基礎に融資判断が行われ、一般には物的な担保を取り、ローンは遡及権(リコース)付きで組まれるが、プロジェクト・ファイナンス(PF)では企業等の信用力や担保に依存せず、投資対象事業の予想収益を基礎に融資が行われ、担保は投資対象事業の資産全てであり、企業からは追加の担保を取らず、ローンは遡及をしないノンリコースローンになっている。

元々は欧米において、巨額の費用がかかる石油・ガス・鉱物資源等の開発に関する資金調達手段として考案され、その後、資源開発の川下プロジェクト(石油化学プラント、天然ガス液化設備、製油所等)から、発電所や道路、鉄道などのインフラ、さらには通信プロジェクトやテーマパークなどへのファイナンスにも利用され、その応用範囲は拡大している。最近では発展途上国における発電所や鉄道等の大規模インフラ建設計画において、巨額になる工事費用を当該国が一度に支払うことが難しい場合にプロジェクト・ファイナンスが用いられることも多い。

また、公共事業や公共的要素の強い民間事業についてのプロジェクト・ファイナンスは、民間の資金や経営手法などを活用して公共サービスを効率的に提供する手法としてPFI(private finance initiative)と呼ばれることがある。

プロジェクト・ファイナンスではコーポレート・ファイナンスに比べ、金融機関は投資対象事業により深く関わり、リスクを負担しているため、より高い収益を期待できるが、通常融資金額が大きいため、リスクを分散させるため、事業内容を開示して他の金融機関の参加を求めることが一般的であり、また資産証券化の手法が組み合わされることも多い。

カテゴリー「経済」の他の用語

カテゴリーの用語一覧 >


ページの先頭へ