投資用語集

メキシコ通貨危機

英語
Mexico currency crisis
同意語
テキーラ・ショック , メキシコ・ペソ危機
関連語
通貨危機 , GATT , NAFTA , IMF , テキーラ効果
カテゴリ
国際情勢 ,

1994年12月のメキシコ・ペソ切り下げと変動相場制への移行をきっかけに、新興市場国に波及した一連の通貨危機のこと。

1986年のGATT参加後の外資呼び込みのための高金利政策と1992年のNAFTA加盟によるアメリカからメキシコへの投資ブームを背景に、過大評価されていたペソが、貿易赤字の累積やアメリカの景気回復に伴う金利上昇によるメキシコヘの資本流入急減という状況下の1994年に、先住民武装反乱や大統領候補暗殺等によりカントリー・リスクの懸念が表面化し、1ヶ月で数十億ドル以上の資本の海外逃避が起き、ペソが40%も暴落した。1994年12月20日の為替バンド制度の介入バンド幅を拡大とペソの対ドルレートの15.27%切り下げ発表が一挙に通貨不安を強め、メキシコ政府は為替介入で対抗したが、国家は財政破綻し、22日には変動相場制への移行を余儀なくされた。

メキシコ政府は財出削減、経常赤字削減、最低賃金の引き上げ抑制などの緊急経済対策をまとめる一方で、アメリカやIMFから総額500億ドル以上の緊急融資を受け、メキシコの通貨危機は一段落したが、中南米やアジアの新興市場、欧州にも波及し、通貨不安に見舞われた国は10ヶ国を数えた。

メキシコ通貨危機は、1980年代の対外債務累積による国際収支の危機とは異なり、急激な短期資本の対外流出による流動性不足をきっかけに起きた通貨危機であった。

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