投資用語集

クロッシング・ネットワーク

英語
crossing network
関連語
デシマライゼーション , ブロック注文 , マーケット・インパクト , Liquidnet , アルゴリズム取引 , 代替取引システム , SEC
カテゴリ
米州 ,

バイサイドからの大口注文やブロック注文を対象に、取引参加者同士が直接、価格や数量等の取引条件を交渉したり、他市場の時価(最良気配値の仲値や終値等)を取引価格として、定時点までに提出された売買注文を一括して約定する内生的な価格発見機能を持たない電子市場のことで、オークション型市場とは異なり気配値や価格が公開されず、市場参加者についても詳細が特定できないという取引の匿名性が特徴 。

2001年にNYSEとNASDAQが株価の値刻みを分数表示(1/16)から小数点表示(1/100)に切り替えたデシマライゼーションにより価格の刻みが細かくなることで注文の細分化が起こり、取引所でブロック注文を執行することが以前よりも困難となったため、ブロック取引を執行する代替市場としてクロッシングネットワークの存在感が増し、マーケット・インパクトの回避や匿名性の確保の点で機関投資家から好まれている。

クロッシングネットワークはデシマライゼーションを契機に以前から提供をしていたITGやインスティネットに加え、LiquidnetとNYFIX、Pipeline等が参入し、ブロック取引の有効な執行市場として発展してきたが、この流れとは別に社内を通る注文同士をマッチングさせる社内クロスと呼ばれるクロッシングネットワークの形態を提供する証券会社も多くなっている。

社内クロスは、アルゴリズム取引の執行オプションとして主に提供され、大口の注文を小口に分解して執行するというブロック取引を対象としたクロッシングネットワークとは異なるアプローチを取り、細分化された注文を他の小口注文と他市場の仲値でマッチングさせることで、スプレッド分のコストを削減し、アルゴリズム取引のパフォーマンスの向上を図ろうとしている。また、クロッシングネットワークにとって最も重要かつ困難な流動性の確保という問題に証券会社内部に既に存在する流動性を使用するため、最初から一定のマッチング率を実現することできるため参入障壁は低い。

最近では、社内クロスを代替取引システム(ATS)化することで、外部の流動性の利用を可能にし、マッチング率を向上させるとともに、SECの規制下に入ることで、注文フロー等の透明性向上を図る動きもある。

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