ドバイ・ショック
- 英語
- Dubai crisis
- 同意語
- ドバイ信用不安 , ドバイ問題
- 関連語
- リーマン・ショック
2009年11月25日に、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府が、政府系持株会社ドバイ・ワールドの債務返済繰り延べを要請すると発表したことに端を発し、世界的に株式相場が急落した現象のこと。
ドバイ・ワールドは、ナキール・タワー等の超高層ビル建設や人工島パーム・アイランド造成などの大規模開発を手がける不動産開発デベロッパーのナキール等を保有する政府の持株会社であり、ドバイは、超高層ビルや、パーム・アイランドなどの大規模開発を行うことによって急成長したが、リーマン・ショックに端を発する金融危機によって不動産ブームが縮小したことなどにより、その経済は急激に減速していて、ドバイ政府はドバイ・ワールドと、その傘下のナキール等の企業を含めた事業の再編に動き、その手始めにドバイ・ワールドの590億ドル（約5兆円）にのぼる全債務について返済期限を6か月以上繰り延べることを認めるよう要請したが、これがドバイ政府が大手政府系企業への財務支援を適切に行うことができなかったと受け止められ、各格付け会社が11月25日に、ドバイ政府やナキールと並ぶ不動産デベロッパーであり、世界で最も高い超高層ビルであるブルジュ・ハリファを開発したエマール社などを格下げした。翌11月26日の欧州株式市場では、ドバイ政府が債務不履行を起こすリスクや、ドバイへの出資を積極的に行ってきた欧州の金融機関の債権焦げ付きへの懸念から、銀行株を中心に株式相場が急落し、その影響は米国や日本など世界中の株式市場に拡大した。
