投資用語集

日本再興戦略

英語
Japan Revitalization Strategy
関連語
アベノミクス , 産業競争力強化法 , 国家戦略特区 , PPP , PFI , 開業率 , 廃業率 , 再生可能エネルギー , 国土強靱化基本計画 , 第六次産業 , TPP , RCEP , FTAAP
カテゴリ
経済 ,

2013年6月に閣議決定されたアベノミクスの3本目の矢である成長戦略のことで、産業基盤を強化する「日本産業再興プラン」、新たな市場を創造する「戦略市場創造プラン」、拡大する国際市場を獲得する「国際展開戦略」の3つのアクションプランを示し、具体的な諸施策や成果目標を打ち出している。

2014年6月には「日本再興戦略」改訂2014を閣議決定し、成長戦略で残された課題としていた、労働市場改革、農業の生産性拡大、医療・介護分野の成長産業化等の分野にフォーカスして、解決の方向性を提示した。

「日本産業再興プラン」

  1. 緊急構造改革プログラム(産業の新陳代謝の促進)

    民間投資拡大、企業実証特例制度の創設、新事業投資促進、事業再編促進、産業競争力強化法の制定、公的支援ルールづくり等を実施し、過少投資、過剰規制、過当競争の3つの歪みを是正する。

    • 主な成果目標
      • 3年間で設備投資を10%増加させ、リーマン・ショック前の民間投資の水準(年約70兆円)に回復。
  2. 雇用制度改革・人材力の強化

    雇用維持型から労働移動支援型への転換、民間人材ビジネスの活用、若者・女性等活躍促進、待機児童解消を加速化、大学改革、グローバル人材力強化、高度外国人材のポイント制度の見直しを等を実施する。

    • 主な成果目標
      • 5年間で失業期間6か月以上の者の数を2割減少させ、パートタイムを除く一般労働者の転職入職率を9%(2011年7.4%)に。
      • 2020年に女性の就業率(25歳?44歳)を73%(2012年68%)に。
      • 今後10年間で世界大学ランキングトップ100に我が国の大学10校以上に。
  3. 科学技術イノベーションの推進

    省庁縦割りを廃し、総合科学技術会議の司令塔に戦略分野に政策資源を集中投入して、研究支援体制の充実させ、戦略分野で出口志向の研究を推進し、実用化、産業化、市場獲得する。

    • 主な成果目標
      • イノベーション世界ランキングを今後5年以内に世界第1位に。
  4. 世界最高水準のIT社会の実現

    ITを活用した民間主導のイノベーションを推進するための規制・制度改革、公共データの民間開放等を実施。

    • 主な成果目標
      • 2015年度中に、世界最高水準の公共データ公開内容(データセット1万以上)を実現。
  5. 立地競争力の更なる強化

    国家戦略特区の実現、公共施設運営権等の民間開放(PPP/PFI)、温室効果ガス25%削減目標のゼロベースでの見直し、電力システム改革等を実施。

    • 主な成果目標
      • 2020年までに、世界銀行のビジネス環境ランキングで日本を先進国3位以内に
      • 世界の都市総合力ランキングで東京を3位以内に。
  6. 中小企業・小規模事業者の革新

    個人保証制度の見直し、国際展開する中小企業の支援等を実施し、中小企業・小規模事業者が地域経済を再生し、国際競争力を底上げ。

    • 主な成果目標
      • 開業率・廃業率10%台(2004年から2009年までの平均値4.5%)を目指す。
      • 2020年までに黒字中小企業・小規模事業者を70万社から140万社に増やす。
      • 今後5年間で新たに1万社の海外展開を実現する。

「戦略市場創造プラン」

  1. 国民の「健康寿命」の延伸
    • 健康寿命伸長産業の育成、予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくり、医療・介護情報の電子化の推進、一般用医薬品のインターネット販売等を実施
    • 医療分野の研究開発の司令塔機能(「日本版NIH」)の創設、医薬品・医療機器開発・再生医療研究を加速させる規制・制度改革、医療の国際展開等を実施
  2. クリーン・経済的なエネルギー需給の実現
    • 再生可能エネルギー導入のための規制・制度改革等、浮体式洋上風力発電の推進、石炭火力等の火力発電に係る環境アセスメントの明確化・迅速化等を実施
    • 電力システム改革の実行、蓄電池の技術開発、国際標準化、普及拡大、次世代デバイス・部素材の研究開発・事業化等を実施
    • エ住宅・建築物の省エネ基準の段階的適合義務化、トップランナー制度の適用拡充、燃料電池技術開発・低コスト化等を実施
  3. 安全・便利で経済的な次世代インフラの構築
    • インフラ長寿命化基本計画の策定等を活用したインフラ点検・診断システムの構築、新素材の開発、宇宙インフラの整備・活用等を実施
    • 安全運転支援システム、自動走行システムの開発・環境整備、車両関連ビッグデータによる情報サービス環境の整備、物流システムの高度化等を実施
  4. 世界を惹き付ける地域資源で稼ぐ地域社会の実現
    • 農業の担い手への農地集積、耕作放棄地の発生防止・解消等による競争力強化、農商工連携等による6次産業化の推進、国別・品目別輸出戦略の策定等を実施
    • 訪日プロモーションに関する省庁・関係機関の横断的な計画策定と実行、査証発給要件の緩和、入国審査迅速化等の訪日環境の改善等を実施

「戦略市場創造プラン」

  1. 戦略的な通商関係の構築と経済連携の推進

    TPP、RCEP、日中韓FTA交渉を、FTAAPのルール作りのたたき台にし、経済連携交渉の推進、規制国際調和推進、戦略的な投資協定・租税条約の締結などを実施。

    • 主な成果目標
      • 2018年までに、貿易のFTA比率70%を目指す。
    • 海外市場の獲得のための戦略的取組

      我が国の優位性を最大限に活かし、世界の膨大なインフラシステム需要を積極的に取り込む。

      • 主な成果目標
        • 2020年に約30兆円のインフラシステムを受注
        • 2020年までに「潜在力」・「意欲」ある中堅・中小企業等の輸出額を2010年比で2倍に
        • 2018年までに放送コンテンツ関連海外売上高を3倍に増加。
    • 成長を支える資金・人材等に関する基盤の整備

      特区制度の抜本的改革や、政府の外国企業支援・誘致体制の抜本的強化し、日本国内の徹底したグローバル化を進めるとともにグローバル等に対応する人材力の強化などを実施

      • 主な成果目標
        • 2020年に対内直接投資残高を35兆円(2012年末時点17.8兆円)に倍増

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