投資用語集

ドル化

英語
dollarization
関連語
ブラジル通貨危機 , シニョレッジ , 最後の貸し手
カテゴリ
通貨制度 ,

米国以外の国が国内通貨として米ドルを使用する現象のことで、米ドル圏にある国が自国通貨の使用を断念し、米ドルを法定通貨とする公式ドル化(ofcial dollarization)と、法定通貨としては自国通貨のみが存在するが、インフレや政情不安等で国内通貨の信用が低く、民間部門が事実上国内通貨の代わりに米ドルを通貨として使用(非合法の場合も含む)する非公式ドル化(unofficial dollarization)がある。

公式ドル化の典型的な例はパナマであり、1903年の独立時に独立以前から国内に流通していた米ドルを法定通貨として追認した。その後1999年のブラジル通貨危機の際に、カレンシー・ボードを採用していたアルゼンチンが通貨危機回避のためドル化を提議したことが契機となり、米ドル圏のラテンアメリカ諸国を中心にドル化の議論が高まり、2000年には、エクアドルが経済危機打開のためドル化を実施し、米ドルを法定通貨とするとともに自国通貨スクレを廃止し、同じく2000年に、エルサルバドルが米ドルを法定通貨に指定し、当面の間自国通貨コロンとの併用を認めながら流通量を減少させ、ドル化を進めた。また、2001年にはグアテマラが自国通貨ケツァルと共に米ドルの使用を認める二重通貨制へと移行している。

ドル化により、対米取引における為替リスクが無くなり、通貨価値が安定し、物価や金利など経済全体の安定化につながるが、米国の金融政策に左右され自主的な金融政策が取れず、国内金融危機に際して最後の貸手機能を果たせないこと、自国通貨を放棄するためシニョレッジ(通貨発行益)を失う等のデメリットもある。

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